2022年3月1日火曜日

似ているけどニュアンスの違う言葉

先日、Twitterで以下のような投稿をしたところ、たくさんのお返事をいただきました。

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①「痛くも痒くもない」(特に何ら影響を受けない)と

②「痛みとか痒みとかは特にない」(例:予防接種の接種部位の話等) のように #似ているけどニュアンスの違う言葉 がありましたら教えてください。今度ブログ記事でまとめさせていただきたいです。
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早速ご紹介します(順不同)。

「夢も希望もない」
「夢とか希望とかは特にない」

「血も涙もない」 「血とか涙とかは特にない」 「居ても立ってもいられない」 「座っていることも立っていることもできない」 (後者は病人ですね。)⇒笑いました 「どうもこうもない」 「どうということも、こうということも、特にない」 「骨の折れる」(労力を要する) 「骨が折れる」(怪我としての骨折) 「頭が切れる人」 「キレる人」 「言い訳(いいわけ)する」 「いい訳(やく)する」⇒これは一度Twitter上で誤解を招く投稿をしたことがあります私 「おざなり」 「なおざり」  ⇒おっと、と思った方は国語辞典へGo(私も行きました) 「トイレが近い」 「トイレが近くにある」 「踏んだり蹴ったり」 「踏んだり蹴ったりする」 「真っ直ぐ帰る」 「真っ直ぐ歩く」 「朝飯前」(ちゃちゃっと簡単にできてしまうこと) 「朝ごはんの前」(朝ご飯の前に学校の準備を済ませる…など) 「構わないよ(It's ok.)」 「構わないで(Leave me alone.)」 「役不足」 「力不足」 (足りないのは仕事か、能力か)
「気の置けない人」 「気が気でない人」 (相手が信頼できるか、できないか)) 「首っ引き」 「首ったけ」 (チラチラ見る対象が手元の参照資料か、好きな人か) 「片腹痛い」(滑稽で苦々しく見ている) 「腹が痛い」(体調)

ご協力いただきました皆様、ありがとうございました。

こうしてみると、似ている言葉なのにニュアンスが変わってくる言葉というのは慣用句に関係してくる話なのかなと思いました。

これはもともと、先日、実家の母と予防接種の副反応の話を電話でしていた時に、お互いに副反応は軽かったので(体質的に幸せな親子)「痛くも痒くもなかったよね」と話していたのですが、確かに「痛み」と「痒み」はなかったけど、「まったくなんともなかったわけではなかったのに面白いなあ」という思いが頭をよぎったため、出した話でした。

「痛み」「痒み」はなかったけどなんとなく倦怠感と軽い頭痛はあったという場合、「痛くも痒くもなかった」という日本語は誤解を招くなあ。と思ったのです。

頭の中のメッセージを正確に日本語で言うために、ちなみに私の場合、(2回目の副反応のことを話した際)

「痛くも痒くもなかったよ。というか全然なんともなかったという意味じゃなくて、痛みとか痒みとかは特になかった、ってことだけどね。軽い倦怠感と頭痛は少しあった」

のように言い直した記憶があります。

こういう違いは日本語だけでなく、各国語にもおそらくあると思うので調べたら面白そうです(パッと浮かんだのはpiece of cake)。