訳あってしばらくの間ブログの更新を停止していました。その理由は二つあります。
ひとつには、ここ半年ほど、海外の某国のエージェント経由での仕事を続けざまに受注してフル稼働で働いていて、実際に記事を書く時間(そして気力)がなかったということもあります。
ただ、いつも1本15分ほどで書いているこのブログの記事を書く時間が全くなかった訳ではなく、更新をやめていたのにはもうひとつ、別の理由があります。
改めて言うまでもなく、ブログ記事やSNSでのつぶやきは、「投稿」ボタンを押した瞬間にインターネットという大海原へと解き放たれます。その瞬間から世界中の人の目に留まることになります。
以前、Twitterで「ああ~、やっと納品終わった、しばらくゆっくりしたい」という主旨の投稿をした5分後に、ある海外の(新規取引前の)クライアントから「添付のファイルを日本語に翻訳してください。納期は3時間後です」といって一方的に仕事のファイルが送りつけられてきたことがあります。(丁重にメールでお断りしたのですがそれに対する返信はありませんでした。)
その時のタイミングは単なる偶然だったのかもしれませんが、何となく相手の(メールの)語調に「今あなた時間あるんでしょう」というようなニュアンスを感じ取り、ふと「うわっ、今のツイート見られたのかな」「ずっと待っていたのかな」と思ってぞっとしました。それ以来「納品が終わった」等のツイートは控えるようになりました。
今はTwitterにも自動翻訳機能がついていますから、たとえ(世界では希少言語である)日本語のツイートであっても、「Translate」等のボタンを押せば瞬時に英語やその他言語に翻訳され、世界中の人に読まれます。そのようにして、世界中にいる翻訳コーディネーターが、今からすぐ仕事を引き受けてくれそうな翻訳者をSNS上で必死で探していないとは言い切れません。
また、仕事を断った相手先が私ののんきなつぶやきを偶然目にしてしまうかもしれません。「そんなことつぶやいている暇があったら早く納品してくれよ」と思うかもしれません。
そんな風に思うと、昼間はTwitterやSNSの類には投稿やコメントができなくなり、夜中の12時や1時を過ぎて投稿することが多くなりました。
会社勤めの人が、勤務時間中にSNSで発信していたのが発覚して罰せられたというニュースも目にしたことがあります。総じて「昼間働いている時間に暇そうにつぶやいているのはけしからん」という空気は、少なからずあるだろうと思っています。
そんな訳で私は、ここのところしばらく仕事を断る相手先が多かったことが原因で、「ブログを更新する暇すらない」と思われたくて記事の更新を意図的に停止していました。
同業者のブロガーさんの記事も時々読んでいますが、皆さん本業とブログ執筆の時間をどのように配分していらっしゃるのでしょうか。非常に興味があります。
本業に差し支えないように、翻訳を発注してくださるクライアントの目に悪い意味で留まらないように、なおかつブログを訪問してくださる方々にとって少しでも有益な記事を定期的に配信していくのには、色々と工夫が要りそうで、悩ましいところです。
2018年8月31日金曜日
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