2017年6月15日木曜日

2-4 翻訳単価の相場、決め方


2-4 翻訳単価の相場、決め方

自分の翻訳単価をどのくらいに設定したらよいかという相談を時々受けます。

ちなみに私の場合は

 ・英→日(英語から日本語) 1ワード 8円~

 ・日→英(日本語から英語)1文字 4.5円~

 

で引き受けていますが、これは直接ソースクライアント(元の依頼主)に請求する時の金額で、長いお付き合いで用語の繰り返しが多い場合などは、ここからさらに値引きする場合もあります。

 反対に、専門性が高く翻訳作業に時間がかかる案件にはこれより高い単価で請求することもあります。
 
この値段が安いか高いかは、実際に頼まれる案件の難易度や、仕事のスピードやその他のサービス内容によると思います。もちろんもっと高い料金の翻訳者もいますし、クラウドソーシングのサイトなどではこの半分以下の価格を提示している翻訳者もいます。
 

一般社団法人 日本翻訳連盟」のウェブサイトなどにも翻訳発注価格の目安が掲載されていますが、翻訳業界でも価格競争は激しく、「格安」「最短納期」などを謳う業者も増えており、さらに「Gengo」や「Conyac」などのクラウド翻訳などの参入もあって、価格設定には非常に悩むところです。

 
しかし、クラウド翻訳や格安をうたう翻訳会社と競合しようとして、極端に単価を下げてしまうと、受注してから自分が苦しむばかりか、業界全体の価格の下落にもつながる可能性もあります。
 

最近はAI技術の発達により、機械翻訳でも、プリエディット(あらかじめ翻訳しやすい原文に直してから機械翻訳にかけること)とポストエディット(機械翻訳後の翻訳成果を読みやすく編集すること)をすれば、かなり人間の手に近い翻訳ができる時代になってきたため、「機械でもできるような簡単な翻訳」には需要がなくなりつつあることも事実です。

 
このため、「自分の得意分野」を生かして「自分にしかできない翻訳」の方向に特化していくことが、翻訳者としての生き残りと翻訳単価の維持につながるのではないか、と個人的には思っています。

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