2017年9月21日木曜日

翻訳スピードを上げる

翻訳者に限らず、フリーランスにとっての重要な課題は、仕事の質を落とさずスピードを上げることです。

以前にも一括置換を使うなどの物理的な手段についてはお話ししましたが、それとは別に、翻訳処理自体をもっと早くするにはどうするか、ということについてここ最近で実感したことがあるのでそれをお話しします。

ここのところずっと短い納期で大量の仕事をするという状況が続いていましたので、まずは、そういう切羽詰まった状況に自らを置くということがあります。ただ、それだと睡眠時間を削ったり家族との時間を犠牲にしたりして、ただひたすら机の前にかじりついてやるだけということになります。

依頼主に取っては実際のスピードが上がっていようが、睡眠時間を削って間に合わせたのであろうが、とにかく希望納期に間に合わせてくれれば「仕事が早い人」ということになるので、仕事のスピードが上がっていない中で「仕事が早い人」だと思われているととんでもない日々が続きます。

ですから、本当の意味で「1時間で終える処理量を増やす」ということを目標にしていきたいところです。

私の好きな作家のはあちゅうさんは、noteという投稿サイトで有料マガジンを展開されていますが、その記事の冒頭にはいつも「私はだーっと書いて後でつじつまを合わせるタイプなので多少のアラはお見逃しいただければと」と書いています。

翻訳もそれと同じく、「ダーッと訳してから後で見直すとどうなるのかな」と思って、試しに「一文一文でいちいち自分の訳を振り返らない」を自分への課題としたところ、後で全部見直した時にも、結局普段通りの出来栄えだったことが判明しました。

自分ではそれほど終わった箇所の訳文を振り返りながら進んでいるつもりはなくても、視界に入ると、ついつい何度も振り返りながら気になるところは直したりしながら進んでしまいます。

そうすると最後まで訳し終わるまでに膨大な時間がかかることになります。結局最後まで訳し終えたら最初から読み直して推敲するので、訳す時は一気に訳し上げてしまう方がスピードが上がります。

推敲はしなくても良いとか、一度だけで良いと言いたいわけではありません。「途中で何度も振り返らない」ということです。

今度自分の訳出スピードを計測したいときがあったら一度お試しください。それだけでかなり速く(しかも品質はそれほど落とさずに)仕事を終えられることに気がつくと思います。

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