2017年9月27日水曜日

翻訳者への道

私は35歳で社内翻訳者になり、40歳で在宅翻訳者になりましたが、人生のもっと早い段階で翻訳者になりたいと決めた人は、どういう道があるのかと考えてみました。

私が大学を卒業した22歳の時点では、通訳や翻訳の実力が備わっているとは到底思えなかったので、「働きながら学ぶ」道を選びました。

25歳で社会人だったときの夏の有給取得中に参加した「インタースクール」(プロ通訳者の養成学校)の「サマープログラム」(夏季の短期集中講座)で「これだ!」と思い、

子どもの頃から思い描いていた「通訳者になりたい」→「留学したい」→「まずはお金を貯めねば」

という図式がひっくり返りました。

なかなか目標額に達しない留学のための少額の貯金をスクールの授業料に突っ込んで、仕事は正社員から派遣社員に変え、平日夜の勉強時間を確保しました。

通訳と翻訳の勉強の仕方は違うと言えば違いますが、現在の私が翻訳を仕事として受けることができるようになったのは、この時の通訳学校での勉強がベースになっています。

通訳と翻訳に必要な力は、よく言われることですが語学力だけではありません。


1.原文を理解する読解力
2.理解した内容を別の言語に置き換える表現力

という二つ能力が必要なため、「英語だけできても通訳者・翻訳者にはなれない」のはよく知られたことです。

二つの言語を行き来して「理解→表現」というプロセスを「早く、正しく、分かりやすく」行うためには、「訳す練習をひたすら続ける」以外に他の道はありません。

よく、「英語の上達のためには日本語に置き換えるな、英語のまま理解しろ」と言われますが、それは「英語力」のみを向上させたい人に限った話です。

確かに、先に英語力を高めたいからまずは英語漬けの勉強をする、という時期があっても良いかもしれません。

しかし、「英語と日本語の間を行ったり来たりする」のを職業とする翻訳者になりたいのであれば、「日本語を介在させない英語勉強法」は近道だとは思えないのです。

翻訳者になりたいと思っているひとが今、学生なのであれば、

・卒業後にそのまま翻訳者になる

ことを目指して良いと思います。

そのためにできることは

翻訳の練習量をひたすらこなす

ことだと思います。

今、社会人なのであれば

・翻訳の通信(通学)講座で勉強する
・翻訳会社に転職する
・派遣登録してインハウス(企業内)翻訳者を目指す

などの道があると思います。

働いて生計を立てながら勉強すると言う人は、できれば働く場所も、自分が将来翻訳をやりたい分野の仕事に就いていると、後で役に立つことは多いと思います。

・自動車関係
・航空機関係
・医療関係
・法律関係

など、自分が将来翻訳者として仕事をしたい分野で働きながら、翻訳者になるための勉強を進めていく、という道はどうでしょうか。

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