2017年10月2日月曜日

一文が長い場合の処理

契約書などを和訳していると、時々一文が10行にわたる(!)など、ものすごく長い文章に出会うことがあります。英語は日本語の構造と違い、主語と述語が先に来て、その後に修飾部が来るので、後ろにどんどんつなげようと思えば延々とつなげていける言語です。

日本語では文章の最後を述語で締めねばならず、一文に対して一文で対応しようとすると途中にものすごい量の修飾部が発生して論理の流れが分かりづらくなります。

そこで、文章が明らかに分かりにくくなる場合は「やむを得ず」途中で文章を切って、二文にすることがあります。例えば provided that ~ 以降の文を「ただし~の場合」と訳すようなやり方です。

provided that 以下は条件なので、その前で一度〇で区切って文を分けた方が分かりやすいケースが多いです。

None of the parties may terminate this Agreement for any reason during the term hereof, provided, however, that any one of the parties may terminate this Agreement at any time by sendind notice of termination to each of the remaining parties.
(いずれの当事者も本契約期間中に本契約を解除することはできない。ただし、当事者のうちいずれかが、残りの当事者すべてに解除通知をした場合には、いつでも解除することができる。)

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一方、そこまで長い文でない場合は、なるべく区切らずに原文のスタイルを残したいところです。

・I will agree with the plan, provided that I get your agreement on my new policy as well. (その計画に賛成します。ただし、私の新方針にあなたが同意してくれればの話ですが。)

・In late 19th century, cars were allowed on the road, provided they did not exceed 4 mph and a man with a red flag walked in front of them. (19世紀後半では、毎時4マイル以上出さないことと、赤い旗を持った人が前を歩いていることを条件に、車は道路を走れました。)

上の例文は「英辞郎」の例文ですが、一つ目の例は

私の新方針にあなたが同意してくれるのであれば、私はその計画に賛成します
というように一文にもできます。

「切らずに処理できるならできる限り原文の通りに処理したい」というのが私個人の意見です。

ただ、時系列的に事実が頭から述べられているときは、「出てきた順に訳して流れを尊重する」ために途中で切るのが有効な時もあります。→その場合については(長くなりますので)また後日。

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