16-2 文字数ビッシリの一枚か、図が多い一枚か
ある主要取引先に対しては、自分用に「案件別の翻訳枚数係数」を作成しています。昨日も述べた通り、「文字がビッシリ詰まった1枚」なのか、「絵や図が多いゆったり1枚」なのかを一覧で分かるようにしておくためです。
例えば、A社からの案件でも、「資料A」はいつも1枚の紙にビッシリで「平均1200文字ぐらい入っている」なら「資料Aは1枚が3枚」、「資料Bは1枚の紙に平均300字ぐらい」なのであれば「資料Bは1枚が0.75枚」という具合です。
これを把握しておくことによって「資料Aが80枚あるけど何日でできそう?」と聞かれたら即座に「240枚か。(1枚当たり45分でできるから240×0.75で)180時間。1日6時間で30日か。週稼働5日だと6週。」という計算で「1カ月半ぐらいかかります」と予測が立てられます。
実際には資料を受け取ってからMicrosoftのWord文字カウント機能を使ってカウントし、文字数によって予測翻訳時間数を計算して見積書に盛り込みますが、数える前におおよその所要時間が分かっていると、複数の案件の引き合いが重なった時に、スムーズに対処できます。
「文字の詰まり具合によって翻訳にかかる時間が違う」というのは、実際に翻訳作業をしている翻訳者にとっては当たり前のように思えますが、翻訳を依頼する側からすると、「1枚当たりの文字の詰まり具合」があまり意識していないことが多く、「今回は枚数が少ないのに見積りが高いな」と感じられるかもしれません。
そのあたりについては、翻訳の依頼主に説明させてもらえる機会があれば良いですが、なかなか聞いてもらえるチャンスもないかもしれません。見積もり内容について納得されていないように感じることがあったら、「1枚当たりの文字数が多い場合は枚数に対して見積もり額が多くなることがあります」というのは前もってお伝えしておいても良いかもしれません。
こういう点は、相手が翻訳会社の場合は不要な説明ですので、個人事業主ならではの「要補足事項」かもしれません。
2017年8月15日火曜日
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